JA埼玉みずほ

金融機関コード 4859

法律相談

「アパート中途解約。残りの賃料請求は?—原則可能だがしない例も」

質問

私はアパートを期間2年の約束でAさんに貸しています。まだ1年しか経過していませんが、Aさんが転居することになりました。この場合、残りの期間の賃料をAさんに請求することはできますか。

回答

 借家人Aは、期間を2年と定めてアパートを借りたのですから、契約期間中の解約申入れはできないのが原則です。期間の定めは契約の内容になっていますので、中途解約はAの債務不履行になります。従って、新しい借主を探せず、残りの期間賃料を得られなかったのであれば、これをAに債務不履行による損害として賠償請求できることになります。
しかし、通常は、借家人からの中途解約については特約を結んでいる場合が多いでしょうから、その場合には特約の期間または解約申入れの日から3か月経過後(民法618条、617条1項2号)に借家契約は終了します。従って、この場合、家主は特約期間または解約申入れのあった日から3か月間は借家人に賃料を請求することができます。

借家人に中途解約権がない場合であっても、次の借主を探せる迄の常識的な期間(2、3か月程度)を置きさえすれば、借家人からの中途解約の申入れは認められ、家主は借家人に残りの期間の賃料は請求しない例が多いようです。
しかし、中途解約権の特約がなく、かつ、上記の常識的な期間も置かずにいきなり解約の申入れをされると、家主にとっては家賃収入の空白期間ができて損害が生じますから、その場合には新たな借家人を探すのに必要な相当期間の賃料を損害として請求することができるでしょう。


「離婚での財産分与、慰謝料に税金は?—原則として非課税に」

質問

 私は、妻と離婚し、離婚に伴う財産分与として500万円、慰謝料300万円を妻に支払うことになりました。この場合、私または妻に対して税金はかかりませんか。

回答

 離婚する場合、夫婦の一方から他方に対して財産分与、慰謝料などの離婚給付が行われることがあります。離婚給付が金銭で行われる場合には、名目が財産分与であろうと慰謝料であろうと、原則として税金が課されることはありません。財産分与は夫婦が婚姻期間中に築いた財産を清算するにすぎませんし、慰謝料は不法行為に基づく損害賠償であり、非課税とされているからです。離婚の際に「解決金」名目で離婚給付を行うことがありますが、この場合でも、解決金の性質は慰謝料または財産分与ないしは両者の混合したものと考えられるため、原則として税金が課されることはありません。
ただ、例外的に、金銭で財産分与ないし慰謝料を支払った場合でも、贈与税が課税されることがあります。相続税基本通達9 −8は、「ただし、その分与に係る財産の額が、婚姻中の夫婦協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮しても、なお過当であると認められる場合における当該過当である部分は、贈与となる」と規定しているからです。
また、離婚給付が不動産等で行われる場合は、給付した者に譲渡所得税が課されることがあります。
あなたの場合、夫婦の婚姻期間、収支の状況、生活の程度、相手方の財産蓄積に対する寄与の程度等からみて、過当な額でないかぎり、非課税とみてよいでしょう。

 (弁護士 長島佑享)